内容 創作児童文学賞受賞作、応募作の中から家族・友人をテーマにした作品を中心に収録。
主旨 日本の児童書は高価であり、児童自身の小遣いでは買えないという難点があります。また、全国の書店調査の結果、読書の楽しさを知るきっかけになる本は見つけにくいという状況です。大型書店でも、児童書売り場は目立たない奥まった場所に追いやられています。
子供にとって、読書は人との触れ合い方を知る「言葉」の宝庫であり、心の栄養です。自然も人の心も豊かであった昔と違い、物質文明の極限に達した現代では、読書から得た知識、体験、発見なくして社会に出られるほど甘くありません。大人が押し付ける現実的な教育のために、読書の時間さえ与えていません。夜伽で本を読み聞かせる母親もほとんどいなくなりました。暴力的シーンの多いゲームやテレビ番組など、これら映像的な快楽、娯楽によって、読解力、想像力を失い、感情のなくなった子供が増えています。やがては動物虐待、暴力犯罪という最も残虐な人格が形成されていく実例があまりに多くなっています。ご承知のように、幼児期に与えられた刺激が、その人間の心的世界を創ってしまいます。
心の豊かな人間との出会いが減り、人間同士の触れ合いが減ってしまった現代では、心の豊かさとは何か、人との出会い、正しい触れ合い方は読書から得るしかないのかも知れません。
今の大人たちは、子供の未来に何の期待もできなくなってしまいました。こんな時代になってしまったのは、利益、利便さを追求して不要な物質を生み出してしまった大人たちの責任であり、荒廃しきった日本の滅亡感を真摯に受け止めるべきです。間違った偏見を捨て、児童文学は未来の社会を担う子供たちにとって不可欠な存在であると、社会全体が認識せねばならない時が来ています。
発行 アートコミュニケーション
非売品
|
もくじ
「まめだぬき」佐藤さとる
「仮面の王様」あきたじゅんこ
「こつぼみくん」荒川栄美
「ボクの弟は毛むくじゃら」岩谷政子
「絆」柄崎 莫
「からすのかん太」大野 薫
「びいだま」おぐりまなみ
「大きな森の小さなりすの家族」長田邦夫
「ハローグッバイ」小田 忠
「算数百点大作戦」倉橋敦司
「うらないしの水晶玉」小島洋子
「にっこり〇点」小日向笑
「ようち園バスのどうぶつたち」さいちりん
「ふしぎの国のコンくん」坂口みちよ
「丸いのと、ほそ長いのと」佐藤孝子
「生たまごとゆでたまご」島 大西
「お父さんのダイエット」下花みどり
「白いマリンキャップ」陶山公子
「こたつむり」高谷京子
「ある春の日に」ニムニム・ハニム
「鈴木ノラクロ」長谷川えり
「ビリケンさんとボク」ぱぴぷぺぽ
「くまこちゃんとおばけの木の実」濱條雅世
「いのちへ」日比野こはる
「くうきのつぶくんとなかまたち」平原ゆかり
「おばけライオン」杜 真生
「七つの扉の物語」森野 円
「花と丸虫」山下和子
「平取のばっさま」吉川良子
「スズメのチュン次」和田薫光
「のっぽののっぽさん」渡邊陽子
ふしぎな美術館
|