卒業生、風張さんへのインタビュー
━━卒業したあとも川高にはよく来るのですか?
風張 来ていますね。自分が3年間やってきて良かったことを後輩に伝えていきたいんですよ。そして後輩が卒業した後もさらに後輩に伝えていってくれれば、すごくいいなって思って来ています。
━━在学中に伝えきるには時間がたりませんでしたか?
風張 卒業してからわかることとかもあるんですよ。新しい環境で始めて気づくこともありますし、私と入れ替わりで入ってくる新入生もいますから、在学中には伝えられなかった自分の経験したことを伝えることができるから来ています。
━━今も書を練習しているんですか。
風張 していますよ。川高の決まりで“卒業してからも1年間は作品を出そう”と決まってるので。進学してからはグラフィックデザインを専攻しているんですが、ここで学んだことも生かせればいいなと考えています。
━━グラフィックデザインなど新しい分野と伝統芸術の結びつきについてはどうお考えですか?
風張 人によっても違うとは思うんですけど、ただ新しいだけのものは「ああ、今時の作品だな」という感想で終わってしまうんですけど、新しくても伝統の流れの中から一歩踏み出した作品などは、本当に良い物だと感じます。
━━練習時間の変化は?高校時代と比べて少なくなりましたか?
風張 そうですね、少なくなりました。私の高校時代は細字がメインだったので一年間休み無くずっと書き続けていました。今は自分の作品を書きながら、ここに来て教えることが中心なので前よりは自分の時間は少なくなりました。それでも細字は今でも毎晩練習していますけど。
━━それだけ書道に魅力を感じているわけですね。
風張 でも、最初は大嫌いだったんですよ(笑)。書道を始めたのは川口高校に入ってからなんですけど。元々書道をやっていた姉が書道部に入っていて、私は他の部活を探していたんですけれども、一生懸命にやってる部活が見つからなくて。そんな時、書道部で一生懸命部活に取り組んでいる姉の話を聞いて、私もやろうかなって思ったのがきっかけです。最初は細字とかの書き取りもキツいし、遊ぶ時間もないので本当に嫌でした。運動部と違って日が沈んでも、家でもやれちゃうんで、朝から夜遅くまでクタクタになるまでやってました。でも、先生の熱心なご指導のお陰で、今しかやれないことがあるんだってことに気付いたんですね。辛い事があっても先生に支えられてなんとかやってこれました。
━━書道はこれからも続けるつもりですか?
風張 はい、絶対に続けていきます。
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